毎年恒例のオニバスプロジェクトの年間活動報告会が、これまたいつもの彦根りんごの会集会所『尊和林庵』で開催されました。
会員の他にオニバスの里親さんにも声をかけさせていただき、今年はお二人の参加がありました。
【Webアルバム】
会長の挨拶に始まり、事務局から年間活動報告。
兵庫県昆陽池の研修バス旅行の報告や、9月7日のオニバス観察会の模様などについて参加者のみなさん、熱心に聴き入っておられました。
事務局からの報告の後、県立大の保科さん、県立大OBで京大院生の曽我部さんのお二方からお堀のカメの食害についての研究発表をしていただきました。
曽我部さんは昨年も卒業研究として食害について発表していただいたのですが、成果が認められて今年様々な場所で発表されたり賞を授与されたりしたとのこと。
お堀で採取したカメの数や糞を分析して何を主に食べているかなど、いろいろな切り口で集めたデータを統計処理することにより、ミシシッピアカミミガメがお堀の水生植物に大きな影響を与えているであろうことを推論しておられました。疑問点についていくつか質問をさせていただいたところ、気になっていた現象のいくつかが食害による可能性が高いことがわかり、今後も研究に値するものであると実感しました。来年は後輩の方も研究として取り組まれるそうで、さらに興味深い事実が得られることを期待します。
曽我部さんの発表に続いて夏原工業さんにご協力いただいているお堀の水質調査結果の発表。
例年そうなのですが、今年の結果も農業用水にも適さないほど悪い水質であるという結果。
何らかの改善が望まれますが、水質悪化の明確な因果関係がわからないのが現状です。
里親さんにもオニバスの生育の様子などを発表していただきました。参加いただいたお二方ともに今年はきれいに花を咲かせることができたそうで、来年も育ててみたいとおっしゃっていました。
里親さんにお願いしたアンケートの集計によれば、32名のうち17名の方が花を咲かせられたそうで、咲かせられなかった方も含めて、ほとんどの方が来年も育ててみたいと回答されていたそうです。
今年は、市役所以外でも久しぶりに中堀でも自生した株の開花が見られ、試験地でも市役所から移植した株がたくさん花を付けました。気まぐれなオニバスですが、来年以降もたくさんの花が見られればと思います。
報告会の後は懇親会が開かれましたが、私は途中退席のため美味しい日本酒をいただくことができなかったのが心残りでした。
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9月23日 タカのわたり観察会
昨年は台風の影響で中止になった佐和山山頂でのタカのわたりの観察会が2年ぶりに開催。好天に恵まれ、10数名の参加者にお越しいただきました。
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開会の挨拶をする前に、いきなり上空に現れたタカ柱に一同嬉しいやら驚くやら。
すぐ目の前の稜線から10数羽(30羽を超えていたらしいです)が旋回しながら佐和山上空に上昇していきました。サシバ、ハチクマの群れのようでした。
これはハチクマ。
このまま南の方へ飛んで行きました。
佐和山山頂に登ると琵琶湖が見渡せ、まさに絶景。遠くに竹生島が見えます。
下であれだけのタカ柱が見えたので、山頂に上がったらどれくらい見えるんだと期待しまくりでしたが、例年たくさん見られる弁天様方面にもほとんど見られず、少々がっくり。
かなり遠くではありましたが、弁天様とは反対側の野田山方面から何度かタカ柱が上がるのが見られ、全部で50羽以上が確認できたようです。
この写真はサシバと思われます。
佐和山山頂からはお城や彦根の町並みが眼下に見えます。
そのためか、江戸時代は入山禁止だったとのこと。
ただ、石田三成公を慕う人々が隠れて登ったという話も聞きました。
なんやかんやで数えると総計100羽を超えるタカが飛んでいったとのことです。
これだけのタカを養えるだけの豊かな自然環境がこの辺りにはあるという証ですので、彦根市民、滋賀県民として守り続けていきたいものですね。
タカは、だいたい朝方9時ころから16時くらいまでの時間帯に見られるようですので、ぜひ一度佐和山に登ってみてください。
2014年9月7日(日) 彦根城樹木ウォッチング
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毎年恒例の彦根城樹木ウォッチング&オニバス観察会。
今年は好天に恵まれ、スタッフを含めると40名を超える参加者がありました。
まずは玄宮園を巡りながら園内の樹木の説明。玄宮園は照葉樹が多いのが特徴で、クスノキ、タブノキ、葉書の樹など彦根城とは異なる植生が見られます。
観察中に上空を飛ぶタカ類と思われる鳥が現れるというサプライズも。写真は残念ながら普通のトビでしたが、飛んでいたのはサシバと思われます。
この時期、タカの渡りが始まる季節。
23日には佐和山でタカの渡りの観察会がありますので、ぜひご参加ください。
池の中央辺りに珍しい水生植物のコウボネが花を咲かせています。
玄宮園を出て、桜場駐車場から中堀を見下ろすと足元に3株、対岸に1株の大きく育ったオニバスが。ここ2年ほど中堀では見られなかったので、とても嬉しいです。ただ、自生している場所は天然記念物指定地から少しだけ外れた場所になります。お盆頃に見られたアゾラもすっかり無くなっていて、あれは何だったんだという感じ。
開花が見られなかったのが残念でしたが、数年ぶりで中堀に大きな葉を広げたオニバスを観察することができ、参加者の方々は一様に満足されていました。
この後、金亀公園事務所前に戻り、11時からオニバスの観察&説明会。
ご覧のとおり、市役所から移植したオニバスが大きく育ち、花も咲いています。
試験地は例年は大きな鉢を置いて植えているのですが、今年は直植えしたのが大きくなった要因のように思われます。
新聞の取材もあり、観察風景を撮影していただきました。ちょびっとサクラモードですけど。 (^_^;
彦鬼くんグッズの即売も。
缶バッジ、キーホルダーなど。
詳しくは、当ホームページの「グッズ」のページで。
写真集: オニバス研修旅行
8月17日に研修バス旅行で伊丹市の昆陽池公園を訪問してきた際の写真をメンバーの佐藤さんがアップしていただきましたので、ご紹介します。
【Webアルバム: 2014オニバス研修旅行】
昆陽池公園では観察会なども開かれており、地元の方々が熱心に保存活動をされているようです。アゾラの駆除など、彦根城の参考になる活動もされていました。
◆毎日新聞のニュース記事
「オニバス:直径1.7メートルに 2年ぶり観察会−−伊丹・昆陽池 /兵庫」
彦根のオニバスの花とはガクの形など、雰囲気が少し違うでしょうか?
余談ですが、
伊丹市はヤンキースの田中将大投手の出身地。
昆陽池公園から南へ1kmほどのところに出身校である伊丹市立昆陽里小学校があります。
オニバス里親さん
昨年に続いて、オニバスの里親さんの募集が行われ、6/28(土)の午前に彦根駅前のアルプラザ平和堂6階、大学サテライトプラザをお借りして説明会と苗渡しを行いました。
オニバスの説明は事務局から。
続いて、育て方について渡邊代表から説明があり、質疑応答では参加者の方から活発に質問をしていただきました。
昨年に続けて育てていただける方が23名、新しく応募していただいた方が10名と、市民の方が思った以上に関心を持っていただいているのが心強く感じられました。
昨年育ててくださった方の多くが自宅で花を見ることができたそうで、残念ながら花を見られなかった方も今年こそ見たいと、続けて申し込んでいただいたようです。
説明後に苗をお渡ししました。
みなさん、嬉々としてお持ち帰りになりましたので、大切に育てていただけることと思います。
また、良い報告を聞かせていただけるのが楽しみです。
私も自宅で苗を植えてみました。
ちょっと苗の状態が良くなかったのですが、うまく育って欲しいものです。
びわ湖の日 環境美化活動2014
6月22日の朝、県立大学集合でびわ湖の環境美化活動が開催されました。
開会式に地元のゆるキャラ大集合。彦根城オニバスプロジェクトのマスコットキャラクター「彦鬼(げんき)くん」も呼んでいただきました。
この模様は読売TVの24時間テレビで放送される予定です。
彦鬼くんはひこにゃん、うっきーのすぐ隣という好ポジションでしたので、映るかな~?
オニバスプロジェクト報告会2013
2013年のオニバスプロジェクトの報告会が12月8日の午後、忘年会を兼ねて例年どおり「彦根りんご集会所 尊和林庵」で開催されました。
【Webアルバム】
彦根自然観察の会の平松会長、オニバスプロジェクトの渡邊代表の挨拶の後、今年の活動報告を事務局の中川さんから。
バス旅行の報告があり、京都府亀岡市の平の沢池の様子が紹介されました。
京都府内では、ここだけが現存する自生地だそうですが、かなりの数のオニバスが見られるようです。
今回の報告会の目玉は、滋賀県立大学の曽我部さんの発表で、亀やザリガニによるオニバスの食害の研究。
天然記念物指定地に3種類、9箇所の柵を設け、それぞれの網の目のサイズを変えることでどの生物がオニバスに影響を与えているのかを調査してもらいました。また、ミシシッピアカミミガメの採捕を行い、個体数の推定もしています。
食害にあったオニバスの苗は、ご覧のように茎が食いちぎられている状態で、こうなると育つことはできません。調査の結果ではミシシッピアカミミガメとザリガニによる食害が推定され、来年、カメの駆除を検討しても良いかもしれません。
曽我部さんの発表の後は、夏原工業さんによる中堀の水質、底質調査の発表。水質調査は4月から10月の毎月、底質調査は年一回実施していただいています。
結果は芳しくなく、水質は農業用水としては使えないレベル、底質も数年前から酸化還元電位の上下逆転現象が起きており異常な状態です。何らかの改善が必要と思われます。
今年初めての取り組みだったオニバスの里親制度でしたが、里親の方も何人か報告会に参加していただき、自宅で綺麗に咲いたオニバスの花の写真を見せていただきました。里親の方々の多くが花を咲かせることができ、また来年も育ててみたいとおっしゃっているそうですので、来年以降も継続していければと思います。
報告会の後は懇親会が開かれましたが、私は報告会までで失礼してしまったためレポートはここまで。
市役所オニバス池掃除
しばらく放置状態だった市役所前の池の後片付けをしました。
2週間前はこんな状態でした。夏を過ぎると枯れてきて、冬を越した種が来年の春に芽を出します。
池の掃除は、枯れた葉や茎の撤去と池の中に落ちている種の採取。
活動中に顔見知りの毎日新聞の記者さんが通りかかられたので声をかけて無理やり取材してもらいました。記事になれば、またご案内いたします。
池は小さなビオトープ。
陰にたくさんのメダカが群れています。
メダカや小魚がいっぱいで楽しい池ですので、また機会があれば覗いてみてください。
活動終了後は記念写真をパチリ。
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9/8(日)彦根城樹木ウォッチング(オニバス観察)
あいにくの雨模様でしたが、10数名の方が集まっていただき、玄宮園の樹木観察、天然記念物指定地のオニバス観察、最後に彦根市役所でオニバスの花の観察というコースで実施いたしました。
今回はNHK大津から取材に来ていただいており、今週 9/11(水)の「おうみ発610」と、来週 9/17(火)の「ぐるっと関西 おひるまえ」で取り上げていただく予定です。
◆おうみ発610 18:10~19:00
◆ぐるっと関西 おひるまえ 11:30~12:00
【Webアルバム】
天守を借景とする玄宮園定番の撮影ポイント。
雨の玄宮園も風情がありました。
今年の桜場前の指定地は自生しているオニバスの姿は見えず、市役所の池から試験用に移植した株が残っているだけでした。
県立大で水生生物のオニバスへの影響を調査するため、3種類の大きさの違う網目のフェンスでオニバスを囲って、どの網目のものが残りやすいかを確認しようとしています。見た感じ、明確な有意差は感じられないように思いましたが、もう少し調査の結果を待ちたいと思います。
市役所の池は一株だけ残したメインの株からたくさんの葉が伸びて大きな花が咲いています。ただし、葉は少し小ぶりで直径40cmほど。昨年は1.5mほどもあったので、大きさも気まぐれなようです。
里親の方も何人か参加されていて、自宅で咲いた花の写真も持ってきていただきました。NHKの取材も里親の方の当初がきっかけ。広く関心を持っていただいた成果が目に見える形になったわけで、とてもありがたいことです。
彦鬼くんが登場すると、あまりの可愛さに取材のお姉さんも思わずハグ。
赤鬼魂!
高宮のクラウンブレッド平和堂さんからカスタラパンの差し入れをいただき、参加者全員でおいしくいただきました。どうもありがとうございます。
観察会の後、記念撮影をして解散。
みなさん、お疲れさまでした。
7/6(土) オニバス里親プロジェクト
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7/6(土)14:00 から彦根市役所でオニバス里親プロジェクトの説明会と苗の引渡しを行いました。
参加者は当初30名ほどと思っていたのですが、事前応募の方に加え、何人かの当日参加の方があり、スタッフを含めると50名以上の参加で非常に活気のあるものになりました。
また、朝日新聞、中日新聞等、数社の記者さんも取材に来られていました。
説明会は2階の会議室を使わせていただき、当プロジェクトの事務局と代表から、彦根城のオニバスについて、オニバスの育て方や生物多様性の考え方等を説明させていただきました。質疑の時間では多くの方から積極的にご質問をいただき、オニバスへの関心の高さに嬉しい驚きを感じました。
説明会の後、池に移動して苗をお渡ししました。
里親になる方には、注意事項を書いた里親証に署名をいただき、引き換えに苗をお渡ししたのですが、後日、オニバスの系統書をお送りする予定です。
終わってから金亀公園前の試験地に移動し、オニバスの様子を見に行ったのですが、数株出ていたはずのオニバスは岸近くに一株残っていただけになっていました。
鉢の中はブルーギルや大きなミドリガメが入っており、こうした生き物が何らかの影響を与えている可能性も考えられますので、中堀の天然記念物指定地で県立大の協力により苗の周辺を数種類の目の大きさの網で囲った評価を進めているところです。何らかの結果が出ればまたご紹介させていただきます。
市役所で間引いた苗が余っていたのを鉢の中や周辺の根付きやすそうなところに植えてきましたが、今後それらがどうなるかが心配です。