スイレン科オニバス属オニバス
オニバスは本州、四国、九州、中国大陸、台湾、インドに分布し、池や沼にはえる1年生の水草。ちなみに、子供が載っている写真で知られているのは違う属のオオオニバスとパラグアイオニバスです。
【和名】 オニバス(鬼蓮)
【学名】 Euryale ferox Salisb. (エウリアーレ フェロックス)
ギリシャ語の euryalos は「広大な」という意味
ferox は「棘が多く危険」という意味
【別名】ミズブキ(水蕗)、イバラバス、イバラブキ、ハリバス、ドンバス、ジゴクノカマノフタ
【古名】 ミズフブキ
オニバスの花
花は晴れた日の朝6時くらいから開き始め11時くらいが一番開きます。
葉を突き破って花を咲かすもの、水中で開くものどの花も個性的です。咲いた花は茎を伸ばして3日めの夕方には水の中に姿を消します。
花を咲かさない閉鎖花もあります。
不思議な花だなぁ。
開放花は紫色の美しい花を咲かせるんだね。
でもたくさんつぼみがあると思っているのに花が開かない閉鎖花があるなんて知らなかったよ。
それでも種はできるなんて、すごいね。
オニバスの種
オニバスの種はひとつの花の中にたくさんできます。水にプカプカと浮くようにまわりに仮種皮をつけています。仮種皮の中は黒い色の種があります。発芽率が非常に悪く、気長に見守ることが必要です。50年くらいは泥の中で生きているといわれていますが、まだまだ謎が多いオニバスです。
たくさん種が入っているね!
上手に浮くように仮種皮(かしゅひ)があって気の向くまま流れていくんだって!
オニバスが毎年同じところに咲かないのは種でふえるからだね。こんなにたくさんの種があるのに 翌年に芽がでるのは10%ほどらしい。なかなか気難しい種だね。きっと彦根城の堀にもたくさんの種が眠っているのだろうなぁ。目覚めてくれるといいな。
古典に見るオニバス
【清少納言枕草子 一四七段】
おそろしげなるもの
つるばみのかさ。焼けたるところ。
水ふぶき。菱。
髪おほかる男の洗ひてほすほど。
(意味)
見ておそろしく感じられるもの。
栗のいが。火事場のあと。
鬼蓮。菱。
髪の多い男が、頭を洗って乾かす間。
葉も花も棘だらけだから恐ろしく見えるね。
清少納言が枕草子を書いたのって、今から1千年ほど前なんだよね。
その頃、都にはたくさん水ふぶきは咲いていたのかな?
そんなに遠くまで出歩くことってないだろうし、きっと身近な植物だったのだろうね。
オニバスマップ
彦根と全国のオニバス生育地域のマップです。
彦根オニバスマップ
青いピンは彦根城で自生しているオニバスの生育場所です。
黄色いピンは栽培をお願いしている市役所や小学校の場所です。
若葉小学校は「拡大地図を表示」アイコンをクリックしてマップを拡大表示させてから、彦根南部が入るように縮尺調整して確認してください。
カメラマークの場所は写真付きです。