2013年のオニバスプロジェクトの報告会が12月8日の午後、忘年会を兼ねて例年どおり「彦根りんご集会所 尊和林庵」で開催されました。
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彦根自然観察の会の平松会長、オニバスプロジェクトの渡邊代表の挨拶の後、今年の活動報告を事務局の中川さんから。
バス旅行の報告があり、京都府亀岡市の平の沢池の様子が紹介されました。
京都府内では、ここだけが現存する自生地だそうですが、かなりの数のオニバスが見られるようです。
今回の報告会の目玉は、滋賀県立大学の曽我部さんの発表で、亀やザリガニによるオニバスの食害の研究。
天然記念物指定地に3種類、9箇所の柵を設け、それぞれの網の目のサイズを変えることでどの生物がオニバスに影響を与えているのかを調査してもらいました。また、ミシシッピアカミミガメの採捕を行い、個体数の推定もしています。
食害にあったオニバスの苗は、ご覧のように茎が食いちぎられている状態で、こうなると育つことはできません。調査の結果ではミシシッピアカミミガメとザリガニによる食害が推定され、来年、カメの駆除を検討しても良いかもしれません。
曽我部さんの発表の後は、夏原工業さんによる中堀の水質、底質調査の発表。水質調査は4月から10月の毎月、底質調査は年一回実施していただいています。
結果は芳しくなく、水質は農業用水としては使えないレベル、底質も数年前から酸化還元電位の上下逆転現象が起きており異常な状態です。何らかの改善が必要と思われます。
今年初めての取り組みだったオニバスの里親制度でしたが、里親の方も何人か報告会に参加していただき、自宅で綺麗に咲いたオニバスの花の写真を見せていただきました。里親の方々の多くが花を咲かせることができ、また来年も育ててみたいとおっしゃっているそうですので、来年以降も継続していければと思います。
報告会の後は懇親会が開かれましたが、私は報告会までで失礼してしまったためレポートはここまで。