彦根の特定外来生物確認: ナガエツルノゲイトウ

20151003_biwako_alien000.jpg彦根・松原水泳場脇のスロープにナガエツルノゲイトウが繁殖しているということで、確認に行ってきました。
写真は【Webアルバム】で
先に、10年ほど前から繁殖が確認されていて、毎年駆除活動が行われている彦根市南部の神上沼の様子を確認。ここは、良くバスフィッシングに訪れていた場所ですが、今年になって南湖で問題になっているオオバナミズキンバイが侵入したという話を聞いていたので、どうなっているのか気になっていました。
神上沼は湖周道路で分断されて琵琶湖側と東側に分かれており、湖周道路をくぐる細い水路でつながっているのですが、まずは東側からぐるっと一周。
20151003_biwako_alien001.jpg岸際はだいたいヨシで覆われていますが、その根本にはところどころにナガエツルノゲイトウが根付いているのが見えます。場所によっては、大きな群体を形成している状況。
上の写真は東側にある流れ込みで、以前上流にアユの養殖場があった時は割合流入量も多く水もきれいだったのですが、今は淀んだ状態です。この周辺はナガエツルノゲイトウでいっぱい。浮き産卵床が作ってあった頃は、その周囲をびっしりとナガエツルノゲイトウが覆っていた時もありました。
20151003_biwako_alien002.jpg湖周道路の下をくぐる細い水路のトンネルで琵琶湖側とつながっています。
この辺りもいっぱい生えています。
ただ、東側の沼は全体的にはピーク時に比べるとかなり減っている印象で、駆除活動がそれなりに効果を示しているように思えます。
20151003_biwako_alien003.jpg琵琶湖側は池の中央の大部分はヒシが制圧。周辺のところどころにナガエツルノゲイトウが見られますが、それなりの量が繁殖しています。
20151003_biwako_alien004.jpg神上沼の流れ出しは、北は柳川集落北側のお墓の辺りに繋がる水路と、南は柳川漁港脇の水門に繋がる2箇所。上の写真は北側の流れ出しで、そこそこの流量があり、多くはこっちに流れているようです。
20151003_biwako_alien006.jpg南側の流れ出しは、このすぐ下流に水門が有り、北側に比べると少し流れがないように見えました。昔はもっと流れ出していた印象があります。流れ出しの橋の周辺にはやはりナガエツルノゲイトウの群生が見られます。
ぐるっと沼を一周してみたところ、オオバナミズキンバイの繁殖は見られず。
見落としていることはないと思いますが、現認者がいますので、どのへんに出ていたのか聞いてみないといけません。
20151003_biwako_alien008.jpg南側の流れ出しが下流の水路と繋がる辺り。
合流地点近くは、ナガエツルノゲイトウの群生が有り、上流側はヒシが優勢です。
20151003_biwako_alien009.jpg出会いの地点から神上沼方向を見ると川の中はナガエツルノゲイトウでびっしり。手前の方はヒシで覆われており、ヒシと外来種のせめぎあいが見られます。
20151003_biwako_alien010.jpg漁港脇の琵琶湖に繋がる水路付近にもたくさん繁殖している状況でした。ここから本湖にも容易に流れていきそうです。流れ着いた先が定着しやすい場所であれば、そこで繁殖していくことになると思われます。
20151003_biwako_alien011.jpg少し前は漁港の中では見かけなかったはずが、既に侵入していました。
20151003_biwako_alien012.jpg次に北側の流れ出しが琵琶湖と繋がる場所をチェック。
予想どおり、ここにも群生が見られました。
20151003_biwako_alien013.jpgここは大きな水門がありますが、水門の上流は三面護岸で根付きにくいせいか群生は見られず、琵琶湖側の淀んだ辺りに集中していました。琵琶湖に流れ出す辺りには株は見られません。
この後、大きく移動して松原へ。
途中の宇曽川漁港付近、曽根沼、野田沼、江面川河口付近ではナガエツルノゲイトウは過去見かけていませんし、移動中、遠目にもそれらしいものは確認できませんでした。
また、犬上川、芹川河口辺りでも見かけてはいないです。
20151003_biwako_alien017.jpg松原水泳場のスロープにある桟橋がナガエツルノゲイトウで覆われていました。昨年までは見かけなかったので、今年になって急に繁殖した模様。
どこから来たのかが問題ですが、神上沼辺りの繁殖地から自然に流れ着いたものが定着したものか、あるいはここから出艇しているプレジャーボートがどこか繁殖地に入ってくっつけてきたものか、いずれかではないかと思います。
20151003_biwako_alien014.jpgここは矢倉川河口になっており、そこそこ流れ出していますので、川の中までは外来種が入りにくいはずですが、念のため湖周道路の橋をくぐって確認しにいくと、一部に繁殖しているのが見られました。流れが緩いので北風が吹いて波風が川の中まで入るような状況で奥まで入ってしまったのかもしれません。
神上沼と松原を見たところ、松原のスロープ周りは今なら駆除可能な規模に見えます。埋立地外側のテトラ帯は常に波に洗われているせいか見える範囲での定着は見られず。一方、神上沼周辺は相当な量の繁殖が見られるため、完全に駆除するにはかなり大変そうです。
拡散を防ぐ手立てを考えながらどこから手を付けるかが今後の課題です。
関係者や県と相談しながら対策を考えてみたいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

twenty − 7 =