【Webアルバム】
観察会ではたぶん初めての河内風穴(かわちのふうけつ、または、かわちのかざあな)に行ってきました。
多賀町博物館に集合し、3台に乗合で現地まで。
今回は鈴鹿山系の特徴である石灰岩地を好んで生育する植物群(好石灰植物というそうです)を観察するのも目的。
風穴までの道中、草花の観察をしながら山道を登っていくのですが、あれこれ目に付きだすとなかなか風穴までたどり着けません。好石灰植物のうち、ヒメフウロ、オオヒメワラビ、ヒトリシズカ、クロタキカズラなどが見られました。
ヒメフウロ
好石灰植物のI群に属し、「石灰岩地だけに生育するもの」だそうです。
クロタキカズラ
好石灰植物のIII群に属する希少種で滋賀県には多賀と湖西の朽木の2ヶ所でだけ見られるそうです。
クロタキカズラは雌雄異株の植物で雄花と雌花があります。
こちらは雌花。
こちらが雄花。
(コンデジの液晶画面ではピントが合ってないのがわかりませんでした・・・)
ようやく河内の風穴の内部へ。
小さくかがまないと通れない入り口を抜け、しばらく進むと「大広間」と呼ばれる広大な空間が広がっています。
大広間で多賀博物館の阿部学芸員から河内風穴について、詳しいレクチャーを伺いました。だいぶ昔の「探偵ナイトスクープ」でも取り上げられたことがありましたが、河内風穴にイヌを放ったところ三重県側に出たとか、伊勢まで繋がっているという伝説、あるいは真逆の方向の越前に繋がっているという伝説などの紹介なども。伊勢に繋がっているというのは、多賀大社の神様が伊邪那岐、伊邪那美で、伊勢神宮はその子どもの天照大御神ということから繋がりを求めたということかもしれないそうです。
レクチャー中、一般のお客様も一緒に話に聞き入っておられました。
大広間の底にあたるあたり耳を澄ますと、地下からゴウゴウと音が聞こえてきます。すぐ下に地下河川が流れており、その流れは芹川へ続いているということです。外気温は19度ほどでしたが、大広間の中は年間を通して12度ほど。これは地下河川の水温とほぼ同じということです。
洞窟内には、ところどころにコウモリが留まっており、まだ冬眠から醒め切れない個体が手で触れられるようなところでじっとしていました。
これはテングコウモリだそうですが、他に数種類のコウモリがいるそうです。
入り口から200m近く進んだ所で観光エリアは行き止まり。
洞窟は、いたるところに枝分かれしていて総延長は10kmを超えており、日本第3位の規模だそうです。総延長では有名な秋芳洞を上回っているのだとか。
阿部さんの案内で一般の人は立ち入らないであろうエリアに降りていくと、大広間の下を流れていた地下河川が岩の隙間から見られる場所へ。
さらにその先へ進むと観光エリアの光も全く届かない真の暗闇の世界を味わうことができました。目を開いても閉じても全く何の変化もない世界。説明が終わって照明を点けるとホッとした感じがしました。
ひと通り見終わった後、駐車場まで戻って阿部学芸員から河内風穴に棲む動物や昆虫について、パネルや標本を使った説明をしていただきました。
河内風穴のコウモリはなんと、和歌山の白浜千畳敷の洞窟と行き来しているということで、以外なほど移動範囲の広い動物だったんですねぇ。
興味深いお話をたくさんしていただき、阿部学芸員に感謝です。
ありがとうございました。
【おまけ】
「河内風穴 コウモリ」でググってみたら、「鍾乳石に埋没したコウモリ」という動画を発見!
いったい、どこにあるんでしょう???