【日時】2022/04/09 9:00-12:00 【集合場所】彦根城表門
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今年の春の観察会は彦根城の桜の観察会。
お天気にも恵まれ、ちょうど満開の見頃を迎えた彦根城にたくさんの参加者をお迎えして開催しました。
つい数日前の年度末に納品された「彦根城とその周辺の自然ウォッチングガイド」も配布され、他の資料とともに説明資料として活用していただきました。
集合場所で簡単に彦根城の桜についてレクチャーがあり、城内で1番多いのはソメイヨシノであること、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラを交配して江戸時代に江戸の染井村で作られたことからソメイヨシノと名付けられたということなどが説明されました。
ソメイヨシノは交配種のため種子が作られず、接ぎ木や挿し木で増やすしか無いことから全てのソメイヨシノのDNAは同一のいわゆるクローンで、そのため、同じ環境であれば一斉に花を咲かせるのだそうです。
レクチャの後、城内へ。
入り口に「大歓迎 彦根市自然観察会のみなさま」の看板が立っていてびっくり。
まず鐘の丸に向かって、ヤマザクラや、とてもめずらしいオオシマザクラのしだれ桜などを観察。鐘の丸にはニホンタンポポとセイヨウタンポポの両方が観られるので、その見分け方などを説明していただきました。
また、イロハモミジが花を付けているのを観ていただくと、モミジに花がさくのを知らなかった方も多く、興味深く観察されていました。
鐘の丸から天守に向かう途中、天秤櫓の橋のたもとで彦根市指定の天然記念物であるオオトックリイチゴを観察。
太鼓門櫓直下にある露頭は断層が縦に走っているのが良くわかるので、地質に詳しいスタッフから説明。
天守台に上がって右すぐにあるエドヒガンの大樹の花の様子などを見ていただく。
このエドヒガンは、いろは松から天守を見上げると、天守のすぐ右側に淡いピンクも鮮やかな一本桜として目立っています。
天守の南側にはオオシマザクラの大木が有り、ソメイヨシノより少し大ぶりでやや白い花を観察し、他の桜より少し強めの香りがあるのを体験していただいたりしました。
西の丸では、中央付近にあるエドヒガンの枝垂れ桜を観察。
桜は四方に根を伸ばして、根と同じくらいの範囲に枝を張るのですが、この木は片側の根が短くなっており、上の枝もそこまでしか伸びていない様子が見られて大変興味深かったです。
西の丸から金亀公園方面へ下り、琵琶湖側の端の山崎曲輪跡へ。
ここには大きなエドヒガンの枝垂れ桜があります。
金亀公園側の石垣の上の桜の枝が雪で無惨に折れて石垣の下まで垂れ下がっていたのですが、皮一枚で繋がった枝の先で花が咲いていて一同びっくり。よく見ると、お堀に落ちてしまった枝でも花が咲いていて、さらにびっくりでした。
山崎曲輪から梅園経由で大手門へ向かい、梅園で解散。
途中、雪の重みで根本から倒れた樹木を何本も見ました。硬い岩盤の上の薄い土壌に張った根は地中深くまで根が入っていないため、倒れやすいのだろうと思われました。梅園の奥は倒壊した樹木の仮置場になっていて、自然の為したこととはいえ悲しい気持ちに。
大手門のところのオオケヤキ。